体験談⑦「うつ病です」と診断を受けた、その日のこと

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まずはじめに

この体験談について

それまで当たり前だと思っていた日常が、
心の不調をきっかけに、大きく揺らぐことになりました。

これは、立ち止まることになるまでの過程を、
当時の記憶や感覚をたどりながら綴った体験談です。

いくつかの記事に分けて、お話しできればと思っています。

心の疲れを感じるあなたへ

  • 自分や身近な人の心の不調が気になっている方
  • 仕事や人間関係の中で、どこかしんどさを抱えながら日々を過ごしている方

ここでは、正解や答えを示すわけではありません。

ただ、読み進める中で、
「ひとりじゃなかった」と感じるきっかけや、
立ち止まって自分を見つめる時間が生まれたらいいなと思っています。

途中から読んでも大丈夫です。
しんどいときは、そっと閉じてくださいね。

語り手について

いまの私

過去にうつ病の診断を受け、しばらく療養していましたが、
現在は症状が落ち着き、数年が経っています。

いまの私は、当時フタをしていた自分のしんどさを、
あの頃よりも落ち着いた気持ちで振り返られるようになりました。

今回は、
『うつ病です』と言われた、その日のことをお話しできればと思います。

診断を受けた、その日のこと

はじめて立ち止まった朝

休み明けで、仕事に向かう準備をしていた朝のことです。
顔を洗い、いつものように身支度を整えながら、
ふと、こんな言葉が浮かびました。

「今日は無理だ」
「もう、これ以上は頑張れない」

それは、強い不安に襲われたわけでも、
涙が止まらなくなったわけでもありません。

ただ、はっきりと。
迷いのない感覚として、そう思ったのです。

それまでの私は、
「もう少し」「あと少し」と自分に言い聞かせながら、
無理を重ねてきました。

今日を乗り切れば。
今週さえ終われば。
そうやって、自分をなだめ続けていたのだと思います。

でもその朝は、違いました。

“これ以上続けたら、壊れてしまう”

初めて、自分の限界を、はっきりと認めた瞬間でした。

病院に行く怖さより、「何もしない怖さ」

病院に行くことへの不安が、
その瞬間にすべて消えたわけではありません。

正直に言えば、怖かった。

もし大したことがなかったらどうしよう。
もし、思っていた以上に深刻だったらどうしよう。

いろいろな考えが頭をよぎりました。

それでも、

このまま何もしないほうが、
よほど怖い。

そう思ったのです。

「自分の感覚を、今回は無視しないでみよう」
「相談してみて、何もなければそれはそれでいい」

そんな気持ちで、
ようやく病院の予約を取りました。

病院で知った、自分の状態

受付を済ませ、診察までのあいだに、
自分の状態についての用紙に記入しました。

最近の気分。
眠りのこと。
食欲のこと。

正直に書きながら、
「こんなにうまくいっていなかったんだ」と、
あらためて気づかされる感覚がありました。

診察室に呼ばれ、
医師からいくつか質問がありました。

職場での様子。
休みの日の過ごし方。
身体の変化。

ぽつりぽつりと答えていきます。

そして、はっきりと、こう伝えられました。

「いま、うつ病の状態ですね。
少し休養が必要だと思います。
まずはしばらくお仕事を休んで、様子を見ていきましょう。」

ショックだった。ホッともした。混沌としていた。

その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になりました。

私、ほんとうにうつ病だったんだ。。。

ショックでした。
医師の言葉が、自分の中に落ちてくるまで、
少し時間がかかったように思います。

でも不思議なことに、
その次に湧いてきたのは、ホッとした気持ちでした。

「やっぱり、そうだったんだ」

ずっと自分の中で、
「甘えているだけじゃないか」
「気の持ちようなんじゃないか」
そんな疑いを抱えてきました。

だから、名前がついたことで、

「やっと休んでいいんだ」

と、少しだけ肩の力が抜けたのです。

一方で、そのすぐあとに、
じわじわと現実味が押し寄せてきました。

うつ病。
その言葉が意味するもの。

これからの生活はどうなるのだろう。
仕事は続けられるのだろうか。
元の自分に戻れるのだろうか。

安心と不安が入り混じった、
なんとも言えない混沌とした気持ちが、
胸の中いっぱいに広がっていきました。

診察室を出たあとの帰り道

病院を出て、見慣れた道を歩いているのに、
どこか現実味のない感覚がありました。

「何て言えばいいのかわからない」

職場の上司に。
家族に。
どう説明すればいいのだろう。

誰に、どこまで話せばいいのだろう。

休むように勧められましたが、
その時点では、休む気にはなれそうにありませんでした。

その日の夜のこと

家に帰っても、心はずっと落ち着きませんでした。

診察室で聞いた言葉が、
頭の中で何度も繰り返されます。

うつ病。
休養が必要。

分かっているのに、
まだどこか他人事のようでした。

気持ちに整理がついてない状況で
まずは家族に連絡をしました。

声を聞いた瞬間、
張りつめていたものが少しだけ緩んだのを覚えています。

「そうだったんだね」
「つらかったね」

そう言ってもらえただけで、
涙がこぼれそうになりました。

自分では気づかないうちに、
ずいぶん無理をしていたのかもしれません。

そのあと、
ふと、ある友人のことが頭に浮かびました。

過去に心身の不調で、
仕事に行けなくなった経験のある人です。

迷いました。
こんな話をしていいのだろうか、と。

でも、
「今はひとりで抱えきれない」
そう思い、連絡をしました。

自分の状況のこと。
職場にどう伝えたらいいのか分からないこと。
休むと言われても、休む勇気が持てないこと。

言葉はうまくまとまりませんでした。

それでも、
「大丈夫だよ」
「まずは休むことを考えよう」

そう言ってもらえたとき、
胸の奥がじんわりと温かくなりました。

不安が消えたわけではありません。

これからのことを考えると、
怖さはまだそこにありました。

それでも、

“頼ってもいいんだ”

そう思えたことは、
あの夜の大きな救いでした。

完璧に整理された気持ちではなくても、
泣きながらでも、
誰かに話していい。

あの日の私は、
必死に、ひとりにならない選択をしていたのだと思います。

まとめ|あの日は、崩れた日ではなく、向き合い始めた日

「今日は無理だ」とはじめて自分に認めた朝。
「うつ病の状態ですね」と伝えられた診察室。
そして、不安を抱えたまま誰かに連絡した夜。

あの日は、人生が終わった日でも、
何かを失った日でもありませんでした。

むしろ、自分の心を無視しないと決めた日。
ひとりで抱え続けることをやめた日だったのだと思います。

診断を受けたとき、
私はショックを受けました。
同時に、ホッともしました。

それはきっと、
「もうこれ以上、自分を疑わなくていい」
という感覚があったからです。

けれど、安心と引き換えに、
別の感情も生まれました。

これからどうなるのだろう。
仕事は。生活は。
元の自分に戻れるのだろうか。

診断は、区切りではあっても、
答えではありませんでした。

むしろそこから、
“普通”だと思っていた日常が、
急に遠く感じられる時間が始まります。

次回は、
「普通の生活が、こんなにも遠く感じた」
というテーマで、

朝起きること。
人と会うこと。
働くこと。

それらがどれほど難しく感じられたのかを、
正直に書いてみようと思います。

いま、どこかで「少ししんどい」と感じている方へ。
あの日の私の感覚が、
ほんの少しでも道しるべになればうれしいです。

ゆぅほ

はじめまして。ゆぅほです。
心の絶不調をきっかけに、 無理を重ねてきた生き方を見直すようになりました。
「自分だけじゃなかったんだ」と、力を抜いて、読んでもらえたらいいなと思って、書いてます。

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