経験談①まだ大丈夫だと思っていた頃の、私の毎日

うつ病の体験談

まずはじめに

この体験談について

それまで当たり前だと思っていた日常が、
心の不調をきっかけに、大きく揺らぐことになりました。

これは、立ち止まることになるまでの過程を、
当時の記憶や感覚をたどりながら綴った体験談です。

いくつかの記事に分けて、お話しできればと思っています。

心の疲れを感じるあなたへ

  • 自分や身近な人の心の不調が気になっている方
  • 仕事や人間関係の中で、どこかしんどさを抱えながら日々を過ごしている方

ここでは、正解や答えを示すわけではありません。

ただ、読み進める中で、
「ひとりじゃなかった」と感じるきっかけや、
立ち止まって自分を見つめる時間が生まれたらいいなと思っています。

途中から読んでも大丈夫です。
しんどいときは、そっと閉じてくださいね。

語り手について

いまの私

過去にうつ病の診断を受け、しばらく療養していましたが、
現在は症状が落ち着き、数年が経っています。

いまの私は、当時フタをしていた自分のしんどさを、
あの頃よりも落ち着いた気持ちで振り返られるようになりました。

今回は、
心の不調とは無縁だと思っていた頃の話をします。

『大丈夫』が口癖だった頃

あの日々は、誰よりも頑張っているつもりで、
「大丈夫」が口癖でしたし、自分にそう言い聞かせてきた毎日でした。

本当はしんどかった。
でも「仕事なんだから、しんどくて当たり前だ」と思い込み、
ただ毎日をやり過ごしていました。

「大丈夫」だと思っていた日常

朝のアラームが鳴ります。
眠い目をこすりながら、いつもの電車に乗り、

「今日の朝礼で、上の人はあの話をしそうだな……」
「それに、どう返そうか……」

そんなことを考えながら、会社に向かっていました。

始業時間の少し前から、同僚と同じように仕事を始めます。
予定がびっしり詰まったカレンダー。
今日中に終わるかわからないToDoリスト。
周りも忙しそうな様子です。

「まあ、これが普通か」
そう思い込んでいました。

「大丈夫? あれ、間に合いそう?」

上司に声をかけてもらうこともありましたが、
「大丈夫です!」と、内心は間に合うかドキドキしながら返事をしていました。

「自分が頑張れば、なんとかなる」
そう気合いで乗り切ろうとしていました。

実際、業務時間内に終わらないこともあり、
会社に残って対応することもありました。

自覚のない、危うい「大丈夫」

「頑張ってるね」と言われるたびに、
心のどこかで誇らしさを感じていました。

けれど、家に帰ると、何もできなくなります。
ソファに沈み込み、テレビの音だけが部屋を満たしていきました。

夜になると、布団に入っても、
「あれ、寝られずにもう1時間も経ってる……」
そんな日が増えていきました。

身体は疲れているはずなのに、
頭の中だけが休まりません。

「アイデアは、考えに考えた先で生まれるものだ」
そんな話を上司から聞いていたこともあり、

「この休まらない頭は問題ない」
「いつかアイデアが出てくるはずだ」

そんなふうにまで思っていました。

気づけばあっという間に朝が来て、
重たい身体を起こしていました。

家族に「大丈夫?」と聞かれても、
「うん、大丈夫」と答えていました。

自分でも、しんどいとは思っていなかったからです。

無意識の「大丈夫」と、膨らむ違和感

朝から晩まで、定時以上に働き、
休日はビジネス書を読んだり、
パソコンの操作を覚えたり、
情報収集をしたり……
とにかく予定を詰めていました。

予定が空くと不安になり、
つい新しい予定を入れてしまいます。

「今が頑張りどきだから」
「自分が頑張れば、会社の役に立てる」
「休む時間を作るより、動いている方が楽だ」

そんなふうに感じていました。

けれど、ふとした瞬間に、
「もう動きたくない……」と、言葉がもれ、
涙があふれることもありました。

好きだったはずの映画も、
友達とのおしゃべりも、
その時間が無駄に感じてしまい、
以前のように心から楽しめなくなっていきました。

「今だけだ。大丈夫」
そう思う反面、
理由を言葉にできないまま、
違和感だけが少しずつ膨らんでいきました。

「大丈夫」で得られた、周囲からの評価

部署での評価は、決して悪くありませんでした。
むしろ「信頼できる存在」として扱われることも多かったのです。

それでも、同じように働いている人たちと比べると、
自分の疲れは、どこか深いように感じていました。

「あなたはすごいよ」と褒められると、
疲れが報われたような気がしました。

期待に応えられること、
組織の一員として認められることが嬉しくて、

  • 自分のやってきたことは間違っていなかった
  • しんどかったけど、頑張ってよかった

そう思っていました。

一方で、
「ここまで頑張らないと評価されないのではないか」
そんな不安もありました。

その不安も、身体の違和感も、
言葉にできないまま、
私は「大丈夫です」と言い続けていました。

それでも私は『大丈夫』と言っていた

あの頃の私は、
「まだ大丈夫だ」と思いながら、
違和感には目を向けず、
毎日の忙しさの中に埋もれていました。

この時点では、
その違和感の原因が、
「自分の弱さ」でも
「仕事の内容」でもないことに、
まだ気づいていませんでした。

ただ、周りと同じように、
あるいはそれ以上に頑張っているはずなのに、
なぜか自分だけが消耗していく感覚を、
努力不足や能力不足だと片づけていました。

それでも日常は続いていきます。
環境は少しずつ変わり、
求められる役割も増えていきました。

そのスピードに、
心だけが取り残されていくことになるなんて、
この時の私は、まだ想像もしていませんでした。

――次回は、
「環境が変わってから、心が追いつかなくなった」
その違和感が、はっきりと形を持ちはじめた頃の話を書いていきます。

ゆぅほ

はじめまして。ゆぅほです。
うつ病をきっかけに、 無理を重ねてきた生き方を見直すようになりました。
「自分だけじゃなかったんだ」と、力を抜いて、読んでもらえたらいいなと思って、書いてます。

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